2019-06-13

2019年6月13日(木) トークイベント『出張円盤 ”レコード寄席” -ムードコーラス編-』

田口 史人

高円寺の名物コアショップ「円盤」田口史人によるレコード寄席。
今回は「ムードコーラス」編!

高円寺のコアショップ「円盤」店主の田口史人氏による名物イベント!音楽的な文脈から外れた目的でつくられた珍品レコードの数々を紹介していくイベント「レコード寄席」を開催します。

円盤」は、自主制作CDや自主制作本を中心に日本各地で生まれ落ちる自主制作物~おもしろグッズなどの見て触って楽しめる「モノ」を顔のみえる関係性のもとで販売する(時に制作する)スペース。日本屈指の珍レコードコレクターでもある店主・田口氏のライフワーク的レコード収集の末に見つかった思わずハテナを浮かべたくなる奇盤レコードにまつわるエピソードに耳を傾けるのが「レコード寄席」。とはいえ、レコード寄席が取り上げるのは、世に埋れた隠れた名曲やレア盤といったものではありません。ここで話されるのは、音楽的な文脈から外れた目的で生み出され、使用され、そして時代とともに忘れ去られてきたレコードたちのエピソード。たとえば、リコーダーの発表会の記録、80年代の中学校のクラスが歌う「ウィー・アー・ザ・ワールド」の記録、会社の営業PRレコード、宗教の布教レコード、結婚式の引き出物レコード、飲み屋でのカラオケ歌唱がサービスでレコードになったもの、校長先生の演説の記録レコード…etc 昭和の暮らしの傍らで、人々の記憶と結びつきながら存在していたレコードを実際に流しながら、妄想も交えつつ、そこから立ちあがってくる風景に思いを馳せます。これは、もはや音を通じた「昭和民俗史」といっても過言ではないのです!田口氏の軽妙な語り口に、爆笑と最後にはホロリと涙が…。

今回のテーマは日本が世界に誇るべき異形の音楽ジャンル「ムードコーラス」。全員コーラスのバンドスタイルで演奏され、歌われるのはもっぱら夜の盛り場の悲喜交々。そのサウンドは聴きようによっては、サイケデリックにも思えます。ハワイアン〜ラテンへ、戦後の流行のグラデーションの中で、自由な発想と確かな演奏力を持ちながらも、現れては消えていったムードコーラスのミュージシャンたち。紆余曲折の末に、今、現在も活動しているバンドもいれば、業界の荒波に翻弄され表舞台からフェードアウトしていったバンドもあり。音楽性以外の部分でも様々な手段を講じながら、夜の世界を渡り歩いていった彼らの足跡をたどりながら、その独特の世界の中で渦巻く人間模様に触れます!ムードコーラスに全く興味がない人も、クールファイブやマヒナスターズくらいしか知らないという人も大歓迎!田口さんが実際にレコードをかけながら、軽妙な語り口でその歴史を紐解いていってくれます。


当日は、円盤が取り扱う様々な「モノ」(CD、本、ZINE、雑貨…)を田口氏がトランクケースにたっぷりと詰めてやって来て、出張販売も行います。物販コーナーがこんなに楽しいイベントも他にないのでは…!

過去開催時の記事:


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2019年6月13日(木) Give me little more.
トークイベント『出張円盤 ”レコード寄席” -ムードコーラス編-』
▽話し手:田口 史人(円盤)
▽時間:(開場)19:00 / (開演)20:00
▽料金: (前)¥1,500/(当)¥2,000 *ドリンク別
▽予約:give.melittlemore@gmail.com

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田口史人


一九六七年神奈川生まれ。高円寺円盤/リクロ舎店主。九〇年頃から音楽ライターとして活動。同時に新作、旧音源の復刻などのCD制作を始め、これまでに三〇〇タイトル以上を製作。現在は店の営業と平行して、全国各地で「レコード寄席」という出張トークショウを行っている。