2014-10-15

11月25日(火)映像と音でつづるフィルム コンサート 『Ky Japan Tour 2014 生きるという営み-フランス、ウイグル、日本- 松本編』


抗う人々がいる。彼らは確実に生きている。この生きる姿、哀しみも、笑いも、むきだしの姿をも映し撮る人々がいる。見つめる者、見つめられる者、観る者の、力に音を添えて。

フランス、ウイグルで撮影された映像作品に音を添えるフィルムコンサート。演奏は、即興演奏を軸に民族楽器を取り入れた実験的演奏を行う仲野麻紀(サックス)とヤン・ピタール(ウード・ギター)によるユニット、ky(キィ)。上映作品は、フランスからは短編、長編のフランス北部の炭鉱夫の一日を追ったドキュメンタリーフィルム。ある日突然おそった白血病の病魔。男に残されたものは、過去に撮ったフィルム、そして恋人が使っているセックストーイ。実話とフィクションを交えた長編映画。ウイグルからは、谷内俊文による写真。中国の最西端に新疆ウイグル自治区にて、文化的に漢民族との同化を拒みつつ、自らのアイデンティティを頑に守っている民族の記録として、彼らのDNAをインクに埋め込む、という方法で印刷された写真集「Lineage」のスライドショーをお楽しみいただけます。各々の想像が映像になり、相対的な文化の連なりの果てにある日本が想起されます。

[短編映画]
Pouments noirs, Ventres d'or -黒い肺、黄金の腹- 1976年  Eric Pittard

70年代フランス北部、炭坑夫の一日。押し詰められたリフトに乗り作業場へ降りる。笑顔で。労働による身体的リスク。塵肺病、CO中毒症。その現実をしかし受け入れざる得ない家族。生きてゆくために。組合と経営者の闘争シーン。男達は、真っ黒になった顔、体を仲間と洗いあう。仕事後の一服、粋な着こなし、作業現場を去るフランス炭坑夫の、生きる姿。

[スライドショー]
Lineage  2009年 谷内俊文
中国の最西端に新疆ウイグル自治区という所がある。 北にはカザフスタン、西にはキルギス、タジク、ウズベキスタン。 南にはチベット。多くの資源を持ちながら、中国沿岸部との経済格差や差別など、 数多くの問題を抱えている。自身を東トルキスタン(東のトルコ人)と呼び、文化的に漢民族との同化を拒みつつ、自らのアイデンティティを頑に守っている民族の記録である。

11月25日(火)
映像と音でつづるフィルムコンサート
『Ky Japan Tour 2014 生きるという営み 松本編』
(協力・映像ドキュメント.com)
▼時間:開場 19:00 開演 19:30
▼料金:前売り¥2000/当日¥2500
▼内容
[演奏] Ky [キィ]
[映画]
・ドキュメンタリー映画 Eric Pittard
「Poumons noirs, Ventres d'or-黒い肺、黄金の腹- 」1976年 32min 
・長編映画 De l'usage du
「sex toy en temps de crise 危機的時代におけるセックストーイの使い方」
 2013 110min
[スライドショー] 谷内俊文
・Lineage 2010年 15min
▼問い合わせ・予約 
contact@openmusic.jp.net

▼プロフィール
Ky[キィ] 












パリ市立音楽院ジャズ科の同窓生、仲野麻紀(サックス)とヤン・ピタール(ウード・ギター)によるユニット。 2005年結成。自然発生的な即興演奏を軸に、エリック・サティの楽曲に民族楽器を取り入れ自由自在に、ヨーロッパ、タジギスタン、アラブ諸国、アフリカ、アメリカ、日本で演奏。現在5枚のCDを制作。2008年NHK-BS「サティのうた」楽曲提供、出演。2014年フランス国営放送にてKyの特集が放送される。 高野山開創1200年記念プレイベントとして作家・夢枕獏との朗読コンサートを金剛峯寺奥殿にて開催。美術アーティストとの共同制作、個展での演奏、神社仏閣、銭湯、図書館など場所を問わず実験的演奏を展開。 

Eric Pittard [エリック・ピタール] 
シネアスト、1953年生。IDHEC(フランス映画高等学院)卒業。在学中は教授と学生たちで構成された闘争的映画集団「シネリュット (Cinélutte)」のメンバーであった。伝説の映画「鹿島パラダイス」の監督Yann Le Massonのアシスタントを経て、ドキュメンタリー映画作家としてキャリアをスタート。代表作に、フランス南部トゥールーズで実際に起こった郊外暴動とそこで生きる若者、ミュージシャンZebdaゼブダによる作品「Le Bruit, l'Odeur et Quelques Étoiles-音と臭い、いくつかの星-」「Usine-工場」「Jazz à la Vilette」等。2013年白血病のため死去。