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2018-10-08

2018年10月8日(月・祝)『ヒゲの未亡人 松本公演』(岸野雄一×ゲイリー芦屋×ALi)

ヒゲの未亡人


岸野雄一プロデュース・脚本・主演、音楽/映像/ダンス/人形劇/演劇が
クロスするミュージカルコメディ!

音楽、映像、ダンス、人形劇、演劇が一つのステージで渾然一体と展開される即興的スタンダップ・コメディ風コメディ&ミュージカル・ショー「ヒゲの未亡人」がギブミーに登場!このパフォーマンスを手がけるのは、「スタディスト(勉強家)」という独自の肩書きでジャンル横断的な活動を行うインディペンデントカルチャーのカリスマ”岸野 雄一”、音楽担当に黒沢清監督「キュア」「LOFT」、清水崇監督「呪怨」、井口奈己監督「ニシノユキヒコの恋と冒険」など映画フィールドを中心とした劇伴の作曲で知られる”ゲイリー芦屋”、映像担当に、DJ、バンド、舞踏、俳優、漫画家等とのコラボを行う映像作家の”ALi”。「ヒゲの未亡人」は、岸野がプロデュース・脚本・主演を務め、第19回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門の大賞を受賞したことでも話題となった音楽劇「正しい数の数え方」のプロトタイプとしても知られ、日本だけでなく、ヨーロッパ、アジア各地で長年上演され根強い人気を誇るパフォーマンスです。喪服、おかっぱ頭、口髭という強烈な女装姿の岸野雄一が演じる未亡人・ゾラが、ゲイリー芦屋のピアノ演奏にあわせてシャンソン風に歌い上げ、映像とシンクロしながら、愛についてのモノローグを展開するエンターテイメントショーを展開!つくりこまれた切れ目のないミュージカルの中に時事ネタなどのアドリブ満載でオーディエンスの心を鷲掴みしていくゾラの語り、バート・バカラック、筒美京平へのオマージュが詰まったソフトロック〜フレンチポップ〜昭和歌謡にモンドなエッセンスが漂う奇妙なポップ・ミュージックで聴きどころたっぷりなゲイリー芦屋の音楽、壁面いっぱいのコラージュ映像の中にゾラが入り込んだり、手持ちカメラを通した映像をスクリーンに投影する演出でステージ上と映像が入れ子構造になっているインタラクティブなアイデアが詰まったALiによる映像表現…誰でも楽しめるエンタメでありながら、同時にパフォーミングアートでもあり、メディアアートでもあるという多面的な表情をもつ今作!演劇ファン、アートファン、モンド音楽ファン、ソフトロック〜ポップスファン、歌謡曲ファンの方まで幅広くおすすめできます。大いに笑い、泣き、驚いていただければ!

この日はもう1組ゲストに、漫画「あれよ星屑」の作者としても知られる山田参助こと笹山鳩と、ギタリスト武村篤彦による「戦前歌謡」をテーマにした異色の幻想歌謡ユニット””が出演!昭和前半の時代にあたかも存在していたかのようなモノラル・ラジオが似つかわしい架空の流行歌を奏でる彼ら。三橋美智也が大好きという笹山によるヴィブラートがしなびた叙情を誘うオールドスクールな歌唱と、朴訥としつつ南米音楽のエッセンスも感じるガットギターの調べには、徹底した昭和歌謡への憧憬と研究心が滲みつつ、その楽しげな旋律の一方で、寂れた港町の裏通りを彷徨う亡霊を目撃してしまったかのような手触りのない奇妙な虚構的寂しさが漂います。細野晴臣、佐藤マサ、ワールドミュージックのファンは確実にツボにはまるはず。

さらに松本からは、メディアアートから伝統芸能までをも飲み込み次々と観たことのない風景を立ち上げる演劇人"前田斜め”と、自身の中に様々なキャラクター(人格)を持つカメレオン・カルト・アカペラシンガー”水野安実”によるコラボレーション”水玉リ”が出演。今回は、人形劇を行うとのこと。音楽なのか?芝居なのか?という問いの間の不明地帯で行われる混沌としたパフォーマンスをお楽しみに!

DJには、民俗音楽から電子音楽、スピリチュアルジャズからTOP40ポップまで、幅広いジャンルから抽出した亜流のムード音楽を標榜する “本橋卓卓卓”(音楽喫茶something tender)。「ヒゲの未亡人」終演後に”岸野 雄一”氏のDJもお楽しみいただけます!

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2018年10月8日(月・祝) Give me little more. 
『ヒゲの未亡人 松本公演』
LIVE:ヒゲの未亡人(東京) /泊(東京) /水玉リ(前田斜め×水野安実) 
▽DJ:岸野 雄一 / 本橋卓卓卓 
▽料金:(前)¥2,500/(当)¥3,000/(学割)¥2,000(ドリンク代別)
▽時間:18:30 OPEN & START (LIVE 19:00〜)  
▽予約:give.melittlemore@gmail.com

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ヒゲの未亡人


ある時はライター、またある時は音楽家とマルチな活躍で知られるスタディスト岸野雄一とのユニット。
作詞&パフォーマンスを岸野、音楽&ピアノ演奏を私、ゲイリー芦屋が担当している。

ヒゲの未亡人の音楽は、歌謡曲、バーバンクサウンド、古のプログラムピクチャー・・様々な様式のポップの方法論を手中に収めた二人がそれが渾然一体となった楽曲をシャンソン的解釈で歌い演じるもの。とはいっても岸野のボーカルスタイルも私、ゲイリー芦屋のピアノもいわゆるシャンソンとは似ても似つかない。というよりも元々「シャンソン」はおろか何かの「ジャンル音楽」をやる気さえも毛頭ないのだ。何にも似ていない・・それ以上に興味深い事がこの世にあるのだろうか? 

ヒゲの未亡人のステージには台本も譜面もない。岸野がステージ上で紡ぎ出す女の独白は全てその場の思いつき、アドリブである。よって毎回必ず内容が変わる、というよりも再現できないのだ。私、ゲイリー芦屋もピアノに向かってその場で初めて岸野の語りを聴きながら、それに合わせた雰囲気のピアノを即興で奏でる。いわば即興のシナリオ、即興の演出、即興の劇伴で構成された舞台なのである。最初の一音が出てから、二人がステージを降りるまでその全てが一つの物語であり、そこに客との馴れ合いやメンバー紹介といった興ざめな現実は一切必要ない。 

ヒゲの未亡人はいわゆるバンドの練習というものは一切行わない。積極的に行わないようにしている、というよりもそもそもやる意味がないのだ。
ステージ上でお互いが何を始めるかわからない緊張感こそが創作の源なのであるから。楽屋で10分くらい前に毎回最初で最後の打ち合わせが始まるが、それは曲順を決めるだけの作業で、そこで岸野がその日どういうストーリーを展開するかなど内容につぃてのサジェスチョンは一切与えられない。 

「ゲイリーちゃん、背中のチャックをあげてくれないかしら」・・・40男の着替えを「俺は一体何をしてるのだろうか?」と暗澹たる気持ちで手伝いながら私、ゲイリー芦屋はステージにむかう。 




岸野 雄一

東京藝術大学大学院にてサウンド・デザインの教鞭を執り、美学校の音楽コースではコーディネーターと講師を務めている。
坂本龍一監修の音楽全集『commmons:schola・映画音楽編』、並びにNHK Eテレ「スコラ・音楽の学校」では浅田彰・小沼純一と共に座談会と解説に参加し、2015年1月にはEテレ「MOVIEラボ」に岩井俊二・庵野秀明らと共に出演。

スタジオボイスやミュージックマガジン等での音楽/映画評論の執筆や、NHK-FM「日本ロック事始め一部始終」の選曲・出演、NHK Eテレの道徳番組「時々迷々」のテーマソングの作詞・作曲・歌唱と番組全体の音楽プロデュース、その他様々な映画に俳優や音楽プロデュースとしても関わる。
プロデュース・脚本を手掛け、自らが主演した音楽劇「正しい数の数え方」は2015年、第19回文化庁メディア芸術祭 エンターテインメント部門の大賞を受賞した。

アーティストとして、ワッツタワーズやヒゲの未亡人、SPACE PONCHなどのバンド、ユニットで活躍する中、自身のレーベル「Out One Disc」ではオオルタイチ・Gangpol & Mit・unbeltipoなど様々なジャンルの音楽をリリース。
また、アジア・ヨーロッパでのライブ・DJ・講演活動や、Max Tundra・Sparks・Scarlatti Goes Electroら海外のアーティストを日本に招聘するなど、諸外国との交流も盛んに行っている。

これらの多岐に渡る活動を包括する名称として、スタディスト(勉強家)を名乗り活動を行い、常に革新的な『場』を模索している。