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2018-09-08

2018年9月8日(土) 『佐藤 幸雄 live in Matsumoto』

佐藤 幸雄

「みんなのうた」のような人懐っこいメロディとミニマルな言葉による硬質な叙情、
ジャパニーズニューウェイブの伝説的バンド"すきすきスウィッチ"の佐藤幸雄が登場!

80年代初期、パンク、ニューウェイブの時代に「みんなのうた」のような人懐っこいメロディと、ミニマルな言葉の言い回しで、カーネーション、たまを筆頭とした数々のバンドに影響を与えた伝説的ポップバンド"すきすきスウィッチ"の"佐藤 幸雄"がギブミーに初登場!

まずは佐藤氏のこれまでの歩みを簡単にご紹介します。1979年より"すきすきスウィッチ"名義で活動を開始。「場所」との関係性をもとにメンバーも、編成も変化していくという不定形なスタイルで、常に何かを欠きながら(ベースがいなかったり、ドラムがいなかったり、活動当初はテクノポップスタイルだったという)その不足による「隙間」を最大限に楽しむような即興性も交えたライブパフォーマンスを展開。「彼らが“おみやげ”っていう素晴らしい曲を演奏し始めた途端、目の前にいきなり星が降ってきたように俺は感じた」(カーネーション・直枝政広)という当時の証言からも伝わるとおり、目撃した人の心を確実に掴んでいった彼ら。1983年にはテレグラフレコードからジャパニーズニューウェイブのカルト的名盤・5枚組のソノシート音源「忘れてもいいよ」をリリース。その後もバンド「絶望の友」として活動、割礼「ゆれつづける」に代表される音楽プロデュースなども行いながらも、90年代の初めに突如、音楽シーンから姿を消してしまい、長い隠遁生活を入ります。音源の入手困難さと他のバンドに与えた影響度の高さゆえ、沈黙期間中も「知るひとぞ知る東京の最重要バンドのひとつ」として伝説化していく中、20年近い沈黙を破って2011年に高円寺円盤にて「公開練習」として人前での演奏を再開。長い間、楽器さえ手放してしまっていたという彼が再び音楽をやる意義を問うパフォーマンスに感化された鈴木惣一朗(ワールドスタンダード、すきすきスウィッチのメンバー)の呼びかけによりPOP鈴木(「絶望の友」のメンバー)との3人編成として「すきすきスウィッチ」は再始動。復活以後はコンスタントに活動を続け、50代にして次々と溢れ出る新しい歌の数々と、これまでの活動の中で産み落としてきた曲を織り交ぜ、現在も精力的に日本各地で歌い続けています。2018年の3月にはアルケミーレコードより近年のメインバンドである「佐藤幸雄とわたしたち」名義でアルバム「わたしたち」をリリース。
彼の演奏は、時に脱臼したリズムを織り交ぜた捻くれもありつつ、基本的にはエレキギター弾き語りスタイルのシンプルな形態。ただ、それはフォークやニューミュージックに漂うウェットな叙情性とは明らかに異なるどこか乾いた質感を持っています。「きみのおみやげはなにかな わからないことがないことはなかった」という歌詞が象徴するように、風景描写に頼らず、世界の混沌と対峙する時に無限に湧き出るクエスチョンマークと堂々巡りの会話しているような真摯なユーモアが溢れてます。「ぼく」と「きみ」と「世界」の関係を巡る数々の疑問を、簡素な言葉と童謡のような響きで詰め込んだ彼の音楽と言葉は、毒ではなく、出どころがわからないけれど不思議とパワーが湧き上がってくるような感覚を与えてくれます。たま、ムーンライダース、初期の前野健太、豊田道倫、山本精一ソロなどのニューウェイブ/アヴァンギャルド/オルタナティブの交差点上で鳴るような日本語フォークのファン、DEVO、The Modern Loversなどのストレンジなパンク・ニューウェイブファンはもちろん、日本語でロックミュージック、ポップ・ミュージックをやること、聴くことに関心がある人すべてにおすすめしたいです!お見逃しなく。

共演は、

時代の流れを遠くの方で俯瞰しながら、風刺の効いたブラックユーモアたっぷりにまだ知らない感情に次々と名前をつけていくような(そして恐ろしくグッドメロディな)名曲の数々をひっそりと生み出してきた知る人ぞ知る長野市在住至宝フォークシンガー”The End”



カラフルでトロピカルな手作り感溢れる変装に身を包み、キッチュな電子音が彩るレトロダンスビートの上で踊りながら、ほんのり露悪的で投げやりなリリックを放つ愛すべき長野のテクノポップ宇宙人"おしゃべりアート“。

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2018年9月8日(土) Give me little more.
佐藤幸雄 live in Matsumoto
▽Live:佐藤 幸雄(佐藤 幸雄とわたしたち、すきすきスウィッチ) / ジ・エンド / おしゃべりアート 
▽料金:(前)¥2,000 / (当)¥2,500 +1Dオーダー
▽時間:(開場)19:00 (開演)19:30
▽予約:give.melittlemore@gmail.com

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佐藤 幸雄

70年代末より人前での演奏を始める。「すきすきスウィッチ」「PUNGO」「くじら」のオリジナルメンバー。80年代、テレグラフレコードよりすきすきスウィッチ「忘れてもいいよ」上梓。個人名でのギターと歌。田中泯主催の舞塾で学び、音楽プロデュース作品も幾つか(須山公美子、割礼、等)。90年代初め「絶望の友」での活動を中断。後、長い隠遁。2011年3月11日以降、人間関係と生活を立て直すうち、高円寺円盤での「公開練習」を経て「歌と演奏など」が再開。2013年「すきすきスウィッチ」として新作CDを3枚同時に発表。以降はひとりで、あるいは「佐藤幸雄とわたしたち」を率いて活動中。佐藤幸雄として2016年10月、都内の某所で「基本毎日」行ったライブの記録を一曲入りCD-RW24枚組「名前はまだない」にするという作品=作業。佐藤幸雄とわたしたち(は現在、POP鈴木(ds,vo)、柴草玲(pf,vo)との三人組)の最新作「わたしたち」は2018年3月アルケミーレコードより好評発売中。

The End


長野在住のミュージシャン。長野市の歓楽街・権堂。その片隅で歌い続けること20余年、その間コツコツと生み出されたThe Endの歌には独特なユーモアと優しさ、音楽に対する愛情が溢れている。2014年3月には活動歴およそ20年を記念して、2日間合わせて7時間強にも及ぶ伝説のワンマンライブが開催された。現在まできちんと発表された音源はなく、今回のCDが実質の初音源となる。CDこそなかったものの、2000年ごろ発表した「引き潮」という曲は、全国各地で複数のミュージシャンにカバーされ、最終的には東京で「引き潮祭り」というライブイベントまで開催された。


「ある夏の一日、The Endを諏訪のとある集会のゲストのひとりとして見たばっかりに俺の人生はそれまでと少しちがう動きをするようになった。人生は楽しいなんて思わないけれど、淋しくなければおもしろくないなんて、あまり考えたことがなかったのだ。いやもしかしたら22歳のころ、そう思っていたのではなかったか、とThe Endに問われたと思った。ロックンロールは淋しいものだ。歌は淋しいものだ。それはすばらしいことだ。The Endのようにすばらしい歌しか歌わない、歌えない、作れない人はこの世には他に少ししかいない。あんまりほめると気持悪いと思われるかもしれないが、正直にそう思うのだから仕方がない。歯車の歯を見たり、散歩している犬の肛門を見たり、拾った石の面相を見たりするときの、もぞもぞとした不安が同居した快感、そういうことをThe Endは感じさせる。帰りたくない家に無意識に帰ってきてしまったことを家の玄関にたどりついたところで気がついた。その後悔と安堵とくやしさを歌で伝えられる男、The Endは牛も似合えばライオンも似合うし、一番似合うのはムササビだ。なんてカッコイイ男なんだろう。」湯浅学 / 音楽評論家



おしゃべりアート