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2016-04-10

『演出家・相模友士郎トークライブ:やっぱり猫がやっぱり好き』

相模友士郎

演劇、ダンス作品を手がける気鋭演出家・相模友士郎による
舞台とお笑いと猫をまたいだ反復横跳びトークライブ!

今年2月に信州大学の学生と一緒にまつもと市民芸術館で『スーパーインポーズ』を上演した京都在住の演出家・相模友士郎さんのトークライブを開催します。
相模さんは、お年寄り、大学生、ダンサー…様々なコミュニティに入り込み、そこに暮らす人々と一緒に演劇、ダンス作品を立ち上げていきます。自ら脚本を書いたり振り付けを行うことはせず、出演者との対話の中から立ち上がってくるドラマを(それは時に脱線し、思わぬ所に飛び火し、出演者の頭をグルグルさせながら)舞台化していきます。その劇作術のユニークさから彼はまさに”今”の演出家として大注目の存在。
相模さんは舞台づくりの中でどのようなことを考え、舞台をどのようにみつめているのでしょうか。
今回は、ストーリーを追うだけではない舞台芸術の楽しみ方、舞台芸術の「構造」としての楽しみ方を、「お笑い」という身近なモチーフを題材にしてトークしてくれます!そして猫…?いったいどんな話が飛び出すのか。一緒にグルグルしましょう!

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4月22日(金)
『演出家・相模友士郎トークライブ:やっぱり猫がやっぱり好き』
■時間:19:30(開演)/19:00(開場)
■料金:(学生)¥500/(一般)¥1000 *ドリンク別

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唐突ですが、僕は猫が好きです。どのくらい好きかというとこのくらい好きです。いま、パソコンの前で両手を大の字に広げています。ここで、あなたは僕がパソコンの前で両手を大の字に広げている姿を想像したでしょう。これは、この「いま、パソコンの前で両手を大の字に広げています。」という言葉によって想像させられた、とも言える事態です。例えばダンスには振り付けというものがあります。それは人を動かすための指示と言い換えることが出来ます。それは更に演劇における戯曲、台本と言い換えることも出来るでしょう。つまり「いま、パソコンの前で両手を大の字に広げています。」という言葉によってあなたが、僕がパソコンの前で両手を大の字に広げている姿を想像したのならば、それは「いま、パソコンの前で両手を大の字に広げています。」という言葉によってあなたは僕の姿を想像させる為の振り付けを行った/行わされたとも言える事態です。言葉によって私たちはイメージすることができます。そこにいない人や、見たこともない風景を想像することが出来ます。しかし、言葉が理解できなければその見たこともない風景を想像することは出来ません。では、その見たこともない風景は本当に見たこともない風景なのでしょうか?この世に猫という存在がいなければ僕は「僕は猫が好きです」とは言いません。ではこの言葉は猫という存在によって「僕は猫が好きです」という言葉を言わされる振り付けをされたということなのでしょうか。また、正直に告白すると、僕はパソコンの前で両手を大の字に広げていません。文字を今、打ち込んでいますから。これは言葉です。今、何について話していますか?このようにスライドしながらトークは進んでいくと思います。ありったけの準備をしてお待ちしています。お笑いについても話します。じゅうううういっっっっじゅ(飼猫の小麦がいまキーボードの上を通過しました。)


2016年4月6日01:21 相模友士郎


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相模 友士郎(さがみ・ゆうじろう)



1982年福井生まれ。演出家。京都在住。2004年から舞台制作を始め、2009年に伊丹に住む70歳以上の市民との共同制作舞台『ドラマソロジー/DRAMATHOLOGY』を発表し、翌年フェスティバル/トーキョー10に正式招聘される。2012年に初のダンス作品『天使論』をTPAM in YOKOHAMA2012にて発表。『天使論』は各地で再演され、2015年、TPAM in YOKOHAMA 2015にてタイのダンサー(Kornkarn Rungsawang from Picket Klunchun Dance Company)との国際コラボレーション作品として再演。その他の作品に『中平卓馬/見続ける涯に火が…』(2011) 、『それはかつてあった』(2013)、『ナビゲーションズ』(2014)、『リアクション』(2015) など。様々なコミュニティの中に入り込み、そこにいる人々と共同しながら、見るという身体的経験を問い直すような舞台作品を発表している。最新作は信州大学の学生と共同制作した、劇場の外からの電話によって進行する演劇作品、『スーパーインポーズ』(2016)